OpenAIにZeko Colter氏: カーネギーメロン大学教授が取締役に就任

OpenAIはこのほど、ジーコ・コルター氏を取締役に任命したことを発表した。彼はAIの安全性に関して豊富な経歴を持つことから、チームに重要な人材を加えることになる。コルター氏はカーネギーメロン大学の教授であり、機械学習部門のディレクターでもある。彼の就任は、AI安全性が当社にとって重要な重点分野となっていることから、特に時宜を得たものである。

コルター氏の取締役会加入は、共同設立者のイリヤ・スーツケバー氏など、AIの安全性に焦点を当てた複数の幹部やチームメンバーを含む、OpenAIからの注目すべき離脱の時期に続くものである。これらの離脱者には、” superintelligent(超知的)”なAIシステムを管理することに専念していたSutskever氏の “Superalignment(超整列)”チームのメンバーも含まれていた。ある情報筋によると、このチームは必要なコンピューティング・リソースへのアクセスに関する約束が守られなかったために困難に直面したという。

コルター氏はまた、新しい役割としてOpenAI理事会の安全・セキュリティ委員会のメンバーも務める。5月に設立されたこの委員会は、OpenAIの全プロジェクトにわたる安全性とセキュリティの決定を監督する。委員会には、ディレクターのブレット・テイラー、アダム・ダンジェロ、ポール・ナカソネ、ニコール・セリグマン、CEOのサム・アルトマンのほか、OpenAIの技術専門家が参加している。ほとんどが内部の人間で構成されているため、その有効性については精査が必要だが、委員会はAIの安全性に対する組織のアプローチを形成する上で極めて重要な役割を担っている。

OpenAIのブレット・テイラー理事長は、今回の人事について次のようにコメントしている: 「ジーコは、AIの安全性と堅牢性に関して深い技術的理解と視点を加えてくれる。

OpenAIに加わる前、コルターはC3.aiのチーフ・データ・サイエンティストで、2010年にスタンフォード大学でコンピューターサイエンスの博士号を取得した。2010年から2012年までマサチューセッツ工科大学で博士研究員も務めた。彼の研究は、既存のAIセーフガードを回避する可能性を示す自動最適化技術に関するものである。

コルターは、学術界や役員としての役割に加え、ボッシュの「チーフ・エキスパート」やAI新興企業グレイ・スワンのチーフ・テクニカル・アドバイザーとして、産業界でも活発に活動している。学界と産業界にまたがる彼の多様な役割は、彼の幅広い専門知識とAIの安全性とセキュリティの推進へのコミットメントを強調し、OpenAIにおけるこの極めて重要な役割への適性を強化している。